中国 EV Live’s blog

日本大手企業在中国の自動車関連BU責任者、グローバル自動車コンサル&市場調査会社中国責任者から、中国EV業界プロの技術責任者、KOLまで、中国の最新EV情報を日本に紹介したいメンバーが中国の最新EV技術、EVニュースをわかりやすく解説している。 新型EVの販売、モビリティ業界の先進事例、バッテリー、充電インフラの最新情報、中国のEV業界で発生している事情をピックアップして更新していきます。

第9世代カムリから見るトヨタのインテリジェント化の新たな一歩(2024年4月29日発表)

世界で有名なトヨタ・カムリは9代目に進化し、刷新のたびに消費者の大きな注目を集めている。

 

中国では電気自動車(EV)の普及率上昇に伴い、ガソリン車の市場シェアが縮小しており、フランスのシトロエンプジョー、韓国のヒョンデは市場からほぼ淘汰され、米国のフォードも同様の困難に直面している。

 

トヨタはガソリン車の有名企業として、フォルクスワーゲンホンダのような伝統的な自動車メーカーとの競争に直面しているだけでなく、EVメーカーの脅威も巨大だ。

 

EVが普及すると同時に、自動車のインテリジェント化は絶えずアップグレードしてきた。EVメーカーはインテリジェント化に大量の資金を投入し、研究開発と革新を行っている。これに対し、ガソリン車メーカーのインテリジェント化開発は明らかに遅れており、大きな落差を感じさせる。

 

中国で3月に発売された第9世代のカムリは、インテリジェント化とローカライズにおけるトヨタの取り組みが鮮明で、新車も市場で「グローバルカー、チャイナキャビン」のラベルが貼られている。

 

「チャイナキャビン」は主にスマートテクノロジーの融合に表れている。例えば、第9世代カムリはファーウェイ華為技術)と協力し、ファーウェイが開発したAI音声アシスタントを搭載した。多言語音声コマンド認識をサポートし、ウェイクアップを繰り返す必要がなく、連続会話ができ、音声コマンドの応答速度と正確性を大幅に向上させた。

 

同時に、トヨタ初の専用アプリストアを導入し、便利なデジタル生活空間を実現した。車の所有者は音声認証と顔認証を通じて、簡単かつ安全にシステムにログインできる。

 

 

 

12.3インチ液晶メーター+12.3インチセンターコンソール+AR-HUDのスペックは豪華とはいえないが、トヨタユーザーにとって、これらは前世代と比べて大きく変化している。

 

 

 

車載装置のハードウェアは全面的にアップグレードされ、8155チップを搭載し、12 GBのメモリを有し、計算力が4倍以上アップし、応答速度が8倍上昇した。

 

 

 

「チャイナキャビン」は車両内部の設計のオリジナル性にも表れている。第9世代カムリは全固定式パノラマサンルーフ、64色のアンビエントライト、スマートアロマシステムなど専用の車室スタイルを提供しており、これらはすべて中国市場向けの専用装備だ。

第8世代カムリの内装

 

第9世代カムリの内装

 

 

 

インテリジェント化の角度から言えば、カムリのスマートコックピットはEVの主流車種と比べてまだ差があるが、他のガソリン車よりは明らかな優位性があり、再び一歩リードしている。

 

これは、EVのインテリジェント化がうらやましく、EVの安定性や安全性に少しでも懸念がある消費者にとって、良いソリューションであることは間違いない。

 

最近、トヨタの次のグローバルモデルのスマートソリューションに「トヨタ+ファーウェイ+Momenta」の3社連携モデルが採用されると報じられた。現時点ではこの情報についてトヨタの公式確認は得られていないが、トヨタがインテリジェント化に向けて進化を続け、さらには加速すると信じている。

EV時代のエアサスペンション普及、1200万円以上の高級車限定から500万円の中級車へ(2024年4月27日発表)

エアサスペンションはコストが高いため、これまでは主に高級車にしか搭載されず、一般の家庭用車には搭載することが難しく、エアサスペンションはハイエンドカーの代名詞となった。

上海蔚来汽車(NIO)は2018年に「ES8」と「ES6」にエアサスペンションを搭載し、標準価格はES8が44万8000元(約896万円)、ES6が37万8000元(約756万円)で、エアサスペンションを60万元(約1200万円)以上の車種のみに搭載する伝統を打ち破った。

 

中国では現在、エアサスペンションを搭載する車種の価格は25万元(約500万円)クラスにまで広がっている。極氪(ジーカー)の「ZEEKR 001」YOUエディションは26万9000元(約538万円)だが、オプションでエアサスペンションを2万8800元(約57万6000円)で付けられる。

 

 

 

中国のエアサスペンション大手、浙江孔輝汽車科技の郭川(グオ・チュワン)代表取締役は「近い将来、20万元(約400万円)の車種の多くにエアサスペンションが搭載され、さらには標準装備になってもおかしくないと考えている」「23年8月に中国のエアサスペンション市場浸透率について、23年は3.4%、24年は6.3%、28年は22.5%になると予測していたが、今ではこの数字は保守的かもしれないと思っている」と話した。

 

 

新エネ車時代のエアサスペンション

 

 

エアサスペンションがミドル・ローエンド市場で普及していない原因には、技術ハードルが高く、一般メーカーでは作れないこと、高級車メーカーが市場をコントロールして高利益を図ってきたことが挙げられる。

 

新エネ車には多くのバッテリーが搭載されるため、車両の自重が増加し、加速度も増し、それによりシャーシの設計と調整への要求が高くなる。エアサスペンションはこの難題を解決する有効な手段となっている。

 

また、エアサスペンションの動作原理は車両のインテリジェント化により適合している。エアサスペンションは路面の正確な感知を通じてリアルタイムで調整されるが、新エネ車は各種のカメラや探知レーダー、演算能力の高い車載チップを搭載し、エアサスペンションの性能を極限まで発揮することができる。

 

 

中国のエアサスペンションメーカーの発展

 

 

スマートEV時代には、EVメーカーはカスタム統合を主導し、ソフトウェア開発能力を重視する傾向がある。例えば、エアサスペンションの供給について、エア供給ユニット、エアスプリング、ダンパー、センサーなどのパーツまで、エアサスペンションを小さな部品に分割し、それぞれを購入して自主化集積し、自社開発のアルゴリズムによってエアサスペンションの性能をさらにアップグレードする。

 

この手法により、EVメーカーは研究開発コストを削減し、エアサスペンションの開発時間を短縮できる。部品メーカーもハードウェア製造における独自の強みを発揮できる。

 

NIOは17年に発売したES8に主にContinental AGのエアサスペンションを採用しているが、「Continental AGのエアサスペンションは、性能は良いがブラックボックスであり、自動車メーカーはカスタマイズ開発を行うことができない」という悩みがあった。

 

 

 

同様に、理想汽車(Li Auto)も創業初期にContinental AGへ連絡したが、フルセットの製品しか販売しておらず、車体、サスペンション、他のハードウェアをContinental AGの適性に合わせなければならなかった。そのため、理想汽車はサスペンション技術について自社で研究し、中国企業の浙江孔輝汽車科技に生産を委託した。浙江孔輝汽車科技はこの受注により、相乗効果で製品のコストダウンを実現し、品質が急速に向上し、一躍エアサスペンション業界1位になった。

 

 

 

NIOの関係者は「NIOの2世代車種以降、Continental AGは私たちにオープンソースモデルでエアサスペンションを提供し、柔軟性が高くなった」と述べた。

 

 

中国製エアサスペンションに優位性

 

 

中国メーカーが生産するエアサスペンションの性能は海外製品に近く、ローカライズの優位性がある。

 

浙江孔輝汽車科技の郭川代表取締役は、「海外サプライヤーの多くは経営資源が海外にあり、中国企業への対応が十分ではない。サスペンションの提供は、既存商品を提供するだけでなく、各車種に対する相応の技術開発が必要で、技術サービスが非常に重要になるが、海外のサプライヤーは中国での経営資源が限られていたり、中国市場を重視していないなどの不足があり、中国のサプライヤー企業にチャンスを与えることとなった」と述べた。

 

開発サイクルについては、「外資サプライヤーは一般的に、完全なエアサスペンションシステムの提供に2年以上かかるが、中国の自動車メーカーは新車開発期間を18カ月以内にしたいと考えている」と述べた。

 

価格の面でも、海外メーカーは中国メーカーより高くなる。郭氏は「海外メーカーのエアサスペンション一式のコストは1万2000元(約24万円)ほどかかるが、中国メーカーのコストは8000~1万元(約16万~20万円)だ」と説明した。

 

中国のエアサスペンション大手、保隆科技の李嶺(リー・リン)副社長は、「われわれはブラックボックスシステムのように超過利益を奪うのではなく、合理的な利益のみ得る」と述べた。

 

 

おわりに

 

 

中国では国産車のシェアが上昇するにつれ、高級車に搭載されていた部品が中級車へと普及するこのような事例が今後ますます増えるだろう。これは自動車部品サプライヤーにとってチャンスでもありチャレンジでもある。

 

中国新エネ車産業におけるエアサスペンション普及の背後には、市場に適応できず商機を逃したContinental AGのような例が多い。これは日本の部品メーカーにも参考になるだろう。

中国の次の新興産業は「空飛ぶクルマ」か( 2024年4月20日発表)

中国の電気自動車(EV)業界はここ数年で急速に発展している。企業側の努力のほか、中国政府が新エネ車産業の萌芽段階において産業配置やさまざまな政策支援をしたことも大きな役割を果たした。

空飛ぶクルマ業界にも現在、同じような状況が起きている。政府の誘導が再び同じような役割を果たせるかどうかに注目が集まっている。

 

 

出来事

 

 

広東省深セン市で2月27日、電動垂直離着陸機(eVTOL)の都市横断、湾岸横断のデモ飛行が行われた。深センから5人乗りeVTOL2機が離陸し、うち1機は人形を乗せて珠海まで飛び、車で片道3時間かかるところを20分で到着した。

 

 

 

EVメーカーの小鵬汽車XPeng)は3月8日、広州のCBD(中心業務地区)上空で試験飛行を行った。中国ではこれまで、空飛ぶクルマの試験飛行は海上か郊外の上空で行われてきたが、今回は人やビルが密集する広州CBDの上空で実施され、大きな突破と試みとなった。

 

 

政策面の支援

 

 

中国では空飛ぶクルマやドローンをはじめとする民用航空機を中心に乗客・貨物輸送を含めた低空飛行活動によって関連分野の発展をもたらす経済形態を「低空経済」と呼ぶが、2010~2020年はまだ概念にとどまっていた。

 

中国国務院は21年に「国家総合立体交通網計画要綱」を公布し、「交通輸送プラットフォーム経済、中枢経済、通路経済、低空経済の発展」を提案した。この時に「低空経済」の概念が初めて国家計画に盛り込まれた。

 

深セン市は24年1月、「深セン経済特区低空経済産業促進条例」を公布し、インフラ、飛行サービス、産業応用、技術革新、安全管理などの面から低空経済の基準と監督管理関連の規定を説明した。

 

3月の両会(全国人民代表大会中国人民政治協商会議、中国の最も重要な政策討論と制定の会議)の政府活動報告では、現代化産業システムの建設を推進し、バイオ製造、商業宇宙飛行、低空経済などの新成長エンジンの発展を加速させることが提案された。低空経済が政府活動報告書に盛り込まれたのはこれが初めてだ。

 

国営の中国中央テレビCCTV)は3月9日に空飛ぶクルマの特集を報道した。その中で珠海-深センの航路に言及し、耐空証明を取得した後、26年に有人飛行を開始する予定だと報じた。

 

 

 

 

EVメーカーの空飛ぶクルマ業界への進出における優位性

 

 

空飛ぶクルマはEVの技術と類似しているところが多く、本質的には同じく移動ツールで、いずれも電気駆動であり、運転支援システムを使用し、材料応用と技術応用においてEV分野と共通し、相互に参考にすることができる。

 

EVメーカーが消費者のニーズを把握し、ユーザー体験とコストを重視することは、空飛ぶクルマの開発にも有利になるだろう。

 

現在、小鵬汽車だけでなく、吉利汽車GEELY)やBYD比亜迪)、広州汽車なども空飛ぶクルマの開発を開始している。

 

億航智能(イーハン)はすでにタオバオのプラットフォームで有人ドローンを販売しており、販売価格は239万元(約5000万円)だ。

 

小鵬汽車はこれまでに「旅航者T1」「旅航者X2」「第6世代空飛ぶクルマ」など数種類の空飛ぶクルマを公開した。「第6世代空飛ぶクルマ」は陸上状態とフライト状態の2種類の運転モードがある。

 

小鵬汽車は世界最大級のテクノロジー見本市CESで「24年末に空飛ぶクルマの予約受付を開始し、25年第4四半期(10-12月)から納入する。販売価格は100万元(約2100万円)以内に抑える予定だ」と発表した。

 

 

 

小鵬汽車の何小鵬(ホー・シャオポン)最高経営責任者(CEO)は、「低空経済は来年、再来年には消費者の生活に徐々に入り、市場規模は今後5~20年でますます大きくなる」と予想している。

 

空飛ぶクルマの将来性と市場規模についてはまだ多くの議論があり、関連法規もさらに明確にする必要があり、空飛ぶクルマ自体の安全性やコスト、利益モデルにも疑問が多いが、注目すべき新興業界であることは間違いないだろう。

CATLの高安全性能シャーシをAVATRに搭載、時速120キロの正面衝突でも発火せず(2024年4月19日発表)

電気自動車(EV)業界はここ数年で急速に発展しているが、新エネ車の安全性、特に事故時の発火などへの懸念は消えない。テスラやNIO(上海蔚来汽車)などは衝突事故後の急速な発火で物議を醸している。

バッテリーメーカーやEVメーカーはバッテリーの安全性に関する研究開発を続けている。

 

 

長安汽車、通信機器大手ファーウェイ華為技術)、車載電池大手CATL(寧徳時代能源科技)の3社が共同で設立した自動車メーカー「AVATR(アバター、阿維塔科技)は3月29日の春季発表会で、同社のEV「AVATR」について、「世界で初めてCATLの磐石(PANSHI)高安全性能スライドシャーシを搭載する量産車だ」と述べた。

 

 

磐石シャーシは世界初の超高安全基準の純電気シャーシソリューションであり、CIIC一体化スマートシャーシとCTC技術革新を通じて80%以上の完成車衝突エネルギーを吸収でき、時速120キロの正面衝突でも爆発や発火をせず、自動車の安全性評価「NCAP」の五つ星安全基準(時速56キロの正面衝突でも爆発・発火しない)をはるかに超える。

バッテリーメーカーとEVメーカーは新エネ車の安全のための「新基準」を共同で作っている。

吉利汽車のギャラクシーE8、無人運転+ドリフトを実現(2024年4月17日発表)

中国で電気自動車(EV)の競争がますます激しくなり、自動車メーカーは絶えず技術革新をしなければならなくなっている。

 

吉利汽車GEELY)はこのほど、ギャラクシーE8(GEELY Galaxy E8)が氷と雪の上でドリフトしている動画を発表した。

 

 

 

ギャラクシーE8の販売価格は17万5800元(約370万円)だが、雪の上でドリフトしながら走る機能を実現した。運転席には運転手がおらず、自動運転しており、車体を調整し続け、連続ドリフトの高難度の動作を完了した。

 

 

 

吉利集団の李書福(リー・シュウフー)会長は3月28日、ライブ配信で「今回の無人運転ドリフトは吉利のAI(人工知能)を利用した自動車安全分野での開発成果だ。ブランドにしろ、グレードにしろ、吉利の第一優先順位は安全性だ」と述べた。

 

このような機能を実現できたのは、吉利汽車のAIデジタルシャーシの開発が主な理由だ。吉利汽車のAIデジタルシャーシは、まずソフトウェアとハードウェアの融合による知覚ビッグモデルアルゴリズムがあり、リアルタイムで車両の状態を知覚し予測することができる。また、ミリレベルのライン制御ステアリングを備え、ドリフト方向を制御し、さらに精密化トルクベクトル制御のホイールモーターを組み合わせ、ドリフト時にリアルタイムで動力を分配することができる。

 

ソフトウェアとハードウェアの多分野の技術統合によって、この自動運転ドリフト動作が実現した。

 

吉利汽車によると、無人運転ドリフト技術の実現は「360度回転」や「カニのように横方向に移動」などの先進技術を実現できることを意味し、極端な交通状況において柔軟で迅速な運転機能を提供でき、自発的な回避やブレーキなどの機能も強化される。

ドローン大手DJIが自動運転ソリューションを提供、300万円のガソリン車でも無人ナビゲートが可能に(2024年4月15日発表)

自動運転は電気自動車(EV)を購入する際の重要な考慮指標になりつつある。統計によると、中国の消費者が車を購入する際に考慮する要素として、自動運転関連機能は2021年には14位だったが、23年には5位にまで上がった。

ファーウェイ華為技術)、小鵬汽車(Xpeng)、百度バイドゥ)などの自動運転の先進企業が最先端の自動運転技術において激しく競争している一方で、ドローン大手のDJI(大疆創新科技)はそれに反して、基礎的な自動運転の普及にソリューションを提供し始めた。

 

3月17日の中国EV百人会フォーラムで、DJIオートモーティブ(大疆車載)はガソリン車、ハイブリッド車、EVのすべてに対応する「油電同智(ガソリン車にEV同様のインテリジェントソリューションを)」の概念を打ち出した。つまり、ガソリン車ユーザーにも先進的な自動運転ソリューションを提供し、ガソリン車でもEVと同じ自動運転体験ができるようになる。

 

 

すべてのユーザーに安全かつ快適な外出体験を提供へ

 

 

過去2年間のデータを見ると、中国では30万元(約600万円)以上のEVでは運転支援システムの搭載率はほぼ100%に近づいているが、20万元(約400万円)以下のEVとほぼすべてのガソリン車では搭載率はゼロに近い。

 

すべての車種に運転支援システムを搭載するために、DJIオートモーティブは7V+32TOPS運転支援ベーシック版、7V+100TOPS運転支援アップグレード版という2種類のソリューションを発表した。

 

 

 

ベーシック版の7V+32TOPS(七つのカメラ+32TOPD計算能力)の運転支援システムは基本的にガソリン車を含むほとんどの車種の高速道路NoA(Navigate on Autopilot)、自動駐車などの基本的な運転支援機能を実現できる。このシステムのコストは5000元(約10万円)程度だ。

 

アップグレード版の7V+100 TOPS(七つのカメラ+100TOPD計算能力)の運転支援システムは高精度地図に依存しない都市NoAを実現できる。このバージョンのコストも7000元(約14万円)程度と高くなく、ガソリン車にも適用されている。

 

NoAは応用シーン別に高速道路NoAと都市NoAに分けられる。高速道路の状況は比較的簡単で、23年の中国の乗用車の高速道路NoA浸透率は6.7%だった。都市道路の状況は比較的複雑で、都市道路NoAの浸透率は4.8%だった。

 

現在、宝駿の「悦也PLUS (Yep PLUS)」や奇瑞汽車(Chery)の「iCAR03」など、DJIオートモーティブの運転支援システムを搭載した車種は複数ある。また、今年の上汽フォルクスワーゲンの新型「ティグアンL」にはDJIオートモーティブの運転支援システムが搭載され、インテリジェント化の度合いが最も高いガソリン車になる見込みで、スマートコックピットの面でEVに匹敵するだけでなく、自動運転の面でも非常に優れたパフォーマンスを発揮する。

 

4月に開幕する北京モーターショーに登場する新型「邁騰(Magotan)」もDJIオートモーティブが提供する7V+100TOPSアップグレード版の運転支援システムを採用する。

 

今年、DJIオートモーティブの運転支援システムを搭載する車種は20種類以上となる見込みで、その中にはEVもガソリン車もある。

横方向に走れる自動車、智己L6がVMCデジタルシャーシを発表(2024年4月12日発表)

中国の新エネ車の競争は極端に激しく、各自動車メーカーは絶えず消費者のニーズに寄り添い、技術開発力を拡大し、革新を重ねている。それでも市場で生き残る保証はなく、勝ち抜くことはさらに難しい。

 

BYD比亜迪)は昨年、初のハイエンドブランド「仰望(ヤンワン)」からSUVタイプのプラグインハイブリッド車(PHV)「U8」を発売した。販売価格は109万8000元(約2300万円)と高額だが大ヒットし、注文は短期間で3万台に達した。

 

仰望U8の「360度回転」の機能は広く注目され、非常に好評を得ている。

 

 

 

上海汽車集団傘下の新エネ車ブランド「智己汽車(IM Motors)」は3月18日に類似の「VMCインテリジェントデジタルシャーシ」技術を発表した。5月に発売する新エネ車「智己L6」に搭載する。「カニのように横方向に移動できる」という新たな機能を実現し、ユーザーは狭い空間での駐車、Uターン、走行などの複雑な移動シーンにより柔軟に対応できる。

 

 

 

 

智己汽車の説明によると、智己L6に搭載された第1世代VMC(Vehicle Motion Controller=車両運動制御装置)インテリジェントデジタルシャーシ技術は、後輪ステアリング、インテリジェント電子制御ダンパー、エアサスペンション、電気駆動などの高級シャーシハードウェアを統括的に連携制御し、車両の加速、制動、ステアリング、制振はもはやそれぞれのことではなく、X、Y、Zの3方向6自由度の車体の協調制御を実現し、「カニのように移動する」など、通常の車両の物理的限界を突破する革新機能を獲得し、動態特性を全面的に制御し、究極の運転制御性と安全体験の向上をもたらす。

 

 

 

 

機械伝動から精密制御へ

 

 

自動車のシャーシ制御機能は一般的にステアリング、ブレーキ、シフト、アクセル、サスペンションという五つの部分で構成されており、これらの性能の連動が自動車の操作性や快適性、安全性に直接影響している。現在の新エネ車に使用されているワイヤー制御シャーシは、従来の機械伝動からすべて「電気信号」制御に変更され、多くの燃料車ではできなかった機能を実現した。

 

智己汽車の劉涛(リウ・タオ)共同最高経営責任者(CEO)は、「電気駆動の制御精度は内燃機関よりも数段高く、車両の運動学の角度から、制御精度は数段の飛躍を実現している」と述べた。

 

智己汽車が発表した「VMCインテリジェントデジタルシャーシ」はライン制御とデジタル技術に基づいており、後輪ステアリング、インテリジェント電子制御ダンパー、エアサスペンション、電気駆動などの高級シャーシハードウェアを統括的に連携制御し、さまざまな「反物理」走行状態を実現できるようにしている。

 

100万元(約2100万円)クラスの仰望U8から一般家庭用車の智己L6まで、中国の新エネ車市場の激しい競争の下で、自動車メーカーは絶えず新技術の研究開発に注力するとともに、従来のガソリン車ブランドにも強い衝撃を与えている。